当ギャラリーの一番人気だった「あるマン」(正式名称「あるマンガ家の住居」)が去年の春売れてしまい、その部分にポッカリと穴があき、ずっとさびしい気持ちをかかえていた。かといってまた同じものをつくる元気はもうない。
そんなときハタとスズキ(マサハル)さんの作品が目に浮かんだ。
「そうだ ! スズキさんは以前生徒展のおりに自身がつくった目の覚めるような「あるマン」を出品していたぞ !!」
さっそくお会いして「作品をしばらくのあいだお貸しいただけないか…」とお願いした。すると彼はこころよくOKしてくれ、内心「ヤッター!」と叫んだものだった。
それからというもの、受け入れ体勢100パーセントで首を長くして待ち続けた。だがいつまで経っても作品はとどかなかった。
なんでそんなに時間がかかるのか、最初はよくわからなかった。しかし事情を知っておどろいた。彼はわたしのギャラリーへの貸し出しを決めた日から、憤然と自作の手直しにとりかかり、たくさんの小物を追加でつくって取りつけたり、色を塗りかえたりなどの、本格的リノベーションに取り組んでいたのだった。それらの状況は追って送ってくれた写メによりはじめて知ったが、ただただ恐れ入るばかりで、コメントの仕様がなかった。
そんな大工事をはじめてから一年以上が経過した今年の夏、やっとすべての工程が終了し、先日スズキさん自らがこの猛暑の中、その貴重な作品を届けてくれた。題名は拙作とはちょいと違う「昭和の挿絵画家」。本作の住人はどうやらマンガ家ではないらしい。
さっそく高さ40センチほどの台をつくって、台の上に乗せて展示した。(下の写真)。
——-スズキさん、素晴らしい作品をありがとう !!!
みなさんも是非ご覧になってください。ギャラリーICHIYOHで見ることができます。
https://ichiyoh-haga.com/private-gallery.html
