トーキングヘッズ叢書101号「黒の寓喩」が先日発売になった。最新号におけるわたしのコラムでは人力車を取り上げた。(下の写真)。
もともと人力車は2004年に銀座の伊東屋さんから創業店舗の模型展示物制作を依頼された際に、店頭になにかディスプレーするものはないかということで思いついたアイテムだったが、制作を佐野匡司郎名人(渋谷クラフト倶楽部初代会長)に丸投げしてしまったため、そのときわたしはまったく制作にかかわらなかった。なので現在、銀座伊東屋の11階に展示されている伊東屋作品における人力車は佐野氏作によるものだ。
その翌々年、こんどはぼくの教室で、伊東屋の小型版にあたる「東家(あづまや)」という作品を制作することになり、ここではじめて自分で人力車を作った。サンプルとしてまず一台作り、そして作り方を説明するためにもう一台作り、結局このとき人力車2台を自分で作ったが、残念ながら出来ばえは遠く佐野氏製には及ばなかった。
それから13年経った2019年、ふたたびぼくの教室で「東家」を作ることになり、今度こその想いを込めて3度目の人力車に挑んだ。そうして出来上がったのが「明治の人力車」(下の写真)である。まだまだ佐野製には及ばぬものの、前2作に比べればだいぶん進歩したと、自分ではそう思っている。
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