昭和の名作マンガ「ねじ式」を、ストップモーションアニメで映画化しようというグループがあり、その背景(模型)を少し手伝っている。
原作には飛行機とSLとモーターボートという3種の乗り物が登場する。
なので飛行機の模型を東京ソリッドモデルクラブのT氏に、SLを、我がクラブ(渋谷クラフト倶楽部)のY氏にお願いし、作品はすでに出来ている。これら2作品の場合、さいわい原作画と同型の、模型のキットをゲットすることができたので、それをベースに更に改良し、結果として、総監督のおメガネにかなう、素晴らしい作品ができあがった。(3/26日及び4/22日付け当欄に記事があります)。
T氏は飛行機マニアで、Y氏はSLマニア、しかもこの両者、モデラーとしての腕もハンパでなく、正に作品にぴったりの人材だった。ところがモーターボートとなると、くわしい人って聞いたことがなく、モーターボートマニアという言葉すら聞かない。従ってボート模型の市場はまだ成熟しておらず、おそらく一からぜんぶつくらねばならぬだろう。かなりの専門知識がいりそうだ。
そんなことから、しばらくのあいだボートのことは棚上げにし、考えないようにしていた。そうしたある日、群馬のK氏のことを、突然おもいだした。
「あっ! K氏の家に、モーターボートが置いてある!!」
そうなのだ。氏の家の前には本物のモーターボートが一艘、いつでも湖に出られるよう、カートにのせた状態で止めてあり、それが家の目印になっている。
もちろんK氏はボートマニアで、なお且つ模型をつくる会社の社長なのだ。
すぐさまお会いして、ねじ式のマンガ本を手に、ボートのことを尋ねると
「つくれます‥」
アッサリそうおっしゃった。それが去年の暮れだった。それから半年以上、彼からはなんの連絡もなく、こちらから催促することもなかった。ところが先月の10日ごろから、急にK氏から、連続的に、制作途中の写真がとどくようになり、いまも、とどきつづけている。
下が最新の一枚だ。
この写真のあと、K氏からは、自己反省文的なメールがあり、「少しカッコよすぎた。もっと野暮ったくしなければ‥」のような趣旨の内容が述べられていた。
どうもこのあと、もちょっとカッコ悪い色に、塗り直し、する気らしい。