ル・マタン・ブロン

 1998年制作の「ル・マタン・ブロン」という作品を少しずつリフォームしている。この作品の店頭には大きなタイル絵「アルルの乳搾り女」が掲げてあるが、これもついでにリフォームしたいとおもい、このたび改めて描きなおしたのが下の絵だ。(同様の絵を使った作品はほかにもあり、過去何回かこれを描いている)。
 厚さ1ミリのベークライトにミッチャクロンをスプレーしてからジェッソで全体を白く塗りつぶし、その上に油絵の具で絵を描いた。油は乾燥に時間がかかるため、ちょっと描いては2〜3日乾かし、またちょっと描いては2〜3日乾かしを繰り返せねばならず、時間がかかる。去年の春描き始めて、終わったのが秋だった。
 それから更に数ヶ月放っておいた。
 冒頭にも書いたようにこの絵はタイル絵なのでタイルのための溝を、このあと、絵の上から彫って、彫った溝には目地を埋めねばならぬ。そういった荒治療を施すためには、絵の具が完全に乾いている必要があり、しばらく放っておいたのだ。
 そうして出来たタイル絵は、その作品、ル・マタン・ブロンの店頭にとりつけて、やっとリフォームが完成した。作品はすでにWorks Galleryに掲載済みですので、あとで是非ご覧になってください。
 Works Gallery→ https://ichiyoh-haga.com/works.html
  (かなり下の方に掲載されています)

非常に細い筆の先に、微量の絵の具を掬(すく)って、絵を描こうとするときに、水彩絵の具だとたちまち筆先の絵の具が乾燥して固まってしまい、うまく描けない。だから油絵の具を使っている。油だとなかなか固まらないし、伸びがいい、失敗したら拭き取って消してしまえるなど、いろいろと利点がある。