朝日チャリティー美術展に「孤独の世界」一点を寄贈したと、4月に当欄に書いたことがある。売れれば、売上金の一部をチャリティーに寄付するし、売れなければ戻ってくるという、寄贈というよりは委託貸し出しのようなはなしだった。
まあどっちにしろ売れっこないだろうとタカをくくっていたところ「売れました!」と連絡があり、調子が狂った。予定外のセールスのおかげで、いっとき5点あった「孤独の世界」がとうとう残り一点となってしまったのだ。そしたら5月にイエローサブマリンで最後の一点が売れて、非常に困った。イエサブの棚にはそれ用のターンテーブルがあって、空っぽで回しておくのはみっともないのである。しょーがないので元生徒タマちゃんの作品に非売の札をつけて、しばらくのあいだ回しておいた。
イエサブには「すいません」と謝ってのことだが、そう長く生徒作を回しておくわけにもゆかず、すぐに作れそうな適当な仕掛品はないかと家探しした。すると20年前、渋谷パルコの時代につくった倉庫の建物が出てきた。さっそくこれに飛びつき、一通りの修理を施し、それなりの付属品や地面をつけて、大慌てでターンテーブルぴったりの作品に仕上げた。題して「南河内郡の農協倉庫」。目下のところ小生の最新作である。
すぐに売れると困るので、24万8000円の高値をつけて、さっそくイエサブの棚で回している。
2018年6月30日