先週銀座伊東屋でペーパークラフトの天才太田隆司さんの作品展をやっていた。
太田さんはただの紙切れをナイフで切って、貼って、ただそれだけで、人々の喜びや悲しみ、思い出や記憶といったかたちではないものを見事な立体作品に仕上げている。
下が太田さんのホームページだ。
http://www.paper-museum.jp/
写真を見ただけではどんなものかよくわからないかもしれない。
要はいろいろな色の紙を、建物や人物や木や自動車のかたちに切り抜いて、半立体状に貼り付けて、4~50センチ角のフレームの中に構築した3Dアートである。それが太田さんの手にかかると紙の人間ひとりひとりがまるで小津映画の登場人物のように、それぞれの感情を持って生き生きと立ちあがってくるのだ。昭和の日本の風景の中で、美しいヨーロッパの町並みの中で、しわくちゃのおばあちゃんが、わんぱく小僧が、若いカップルたちが、作品の中にちゃんと生きているのである。
以前三越ではじめて見たときには大変なショックを受けた。
その太田展がこんどは伊東屋で開催されるというはなしを聞き、事前に宣伝するつもりでいた。しかしついうっかり忘れてしまい、今になってしまった。
太田さんごめんなさい。
m(_ _)m
2012年6月16日