(株)丹青社の中井弘志さんから久しぶりのメールがあった。
『私はこの春オープンした「リニア鉄道館」で鉄道のジオラマを作る機会があり、足掛け3年ほど鉄道模型の世界にいました。制作面積が大きすぎて、ディティールに凝る前に、全体のクオリティーとして鑑賞に耐えられるものにすることに腐心いたしました——』
なんてことが書いてあり7~8枚の写真が添えてあった。下はその中の一枚だ。
中井さんがどこかに依頼してつくらせたんだと思うが、それにしてもよく出来ている。
かつて石ノ森萬画館に納入するために、わたしが「トキワ荘」をつくったとき、その依頼主が㈱丹青社で、中井さんがその担当者だった。彼は見かけによらず(失礼!)美大出身で、非常に繊細で緻密な絵を描くひとである。そのへんがこのジオラマにもあらわれているような気がする。
近況②「さようなら…」
月刊「はるかプラス」の9月号が発売になった。
今号では「DANONE 1944年/夏」という作品を紹介した。
——-以下記事より。
左の写真は1944年に撮られた。
中央のタイル絵は牛乳会社が取引先に配ったもの。看板にはBEU RRE(バター)、OEUFS(玉子)、FROMAGES(チーズ)とあり、その下にEPICERIE(食品雑貨)、VINS(ワイン)などの文字。ウィンドーには野菜や果物が山積みだ。要はなんでも売っている。ここは昔のコンビニだ。そしてDANONEとは食品の有名ブランドのこと。今も健在だ。
1944年とはノルマンディー上陸作戦があった年である。8月にはパリが解放された。歓喜に沸いた夏。人々の暮らしは急速に平時に戻りつつあった。そんな時代のコンビニだ。作品は12分1。制作1999年。
以上9月号より。
気分よく続けていたこの連載「カリスマ模型師・芳賀一洋の世界」だったが、残念ながらあと一回で終了することとなった。昭和59年から27年間続いていたこの雑誌が、次号(10月号)をもって休刊することになったからだ。ご他聞にもれず昨今の出版不況が原因らしいが、まあしょうがないってことか…。
2011年8月20日