近況①「静岡ホビーショー終了」

 ご来場いただいたみなさんありがとう!
 前回お伝えした「静岡ホビーショー」(モデラーズクラブ合同作品展)は先日無事終了いたしました。
 さわやかな五月晴れに恵まれ、いわゆる自粛ムードはまったく感じられず、スゴイ人出だった。われわれがいた土日だけでも6万とも7万ともいわれる入場者数があったそうだ。有名モデラーの金子さん、テレビチャンピョンのヤマタクさん、ろうがんずの櫻井さん、テレ朝の松井キャスター、㈱ハセガワの長谷川さん、タミヤ模型の原型師さん、そして東京ソリッドモデルクラブ、名古屋三点クラブのみなさんなど、模型界のビッグスターや人生の先輩らがうじゃうじゃいて、ぼくなんかはただひたすら小さくなっていた。
 ちなみに小生、静岡を訪れたのは今回がはじめてである。
 町全体がカラッと明るく湘南風で、なおかつしっとりと京都風でもあり、どういうわけか若者がやたらと多く、そして街灯や看板やガードレールや、エレベーターや歩道やベンチといった小道具の類が、東京とはひと味違いどれもがシャレている、そんな静岡がすっかり気に入ってしまった。
 さて、これで静岡が終わり、次は6月の「インターナショナルミニチュアショー」(浜松町)に一点だけの参加をしてから、8月には「高島屋」(横浜)での展示が予定されています。
 ——-どうぞよろしく。

ホビーショー会場にて

近況②「萬画館へ」

 津波の被害に遭った宮城県石巻市の石ノ森萬画館。
 電気はまだ来ていないものの建物は大方そのままの姿で残っていた。拙作トキワ荘も無事だった。それらを確認するために5月18日現地を訪れた。
 この日お相手をしてくれた萬画館のスタッフ・大森盛太郎さんによると、地震のあとは津波の襲来に備えて、ただちに全員が高台に非難したそうだ。しかし大森さんだけは館を守るために現場に残り、直後に津波がやってきた。一階部分にどっと水が進入したが建物が流されることはなく、上階へ逃れた大森さんは危機一髪一命を取りとめることができた。それから自衛隊によって救出されるまでの五日間を、彼は停電した萬画館の中でひとりで過ごしたという。あたりは瓦礫の山で、どこへも出かけられなかったが、さいわい最上階にはカフェレストランがあり、食うものには困らなかった。もちろん大量のマンガ本もある。何かのイベントに使うためのロウソクもまとめて備蓄してあったので、その灯りで夜はひたすらマンガを読んで過ごしたそうだ。まるでロビンソー・クルーソーみたいなはなしである。
 その石ノ森萬画館は北上川の河口近くの中洲に位置し、毎年8月の「川開き」の日には目の前で「花火大会」が行われている。「復興への願いをこめて今年は特に盛大にやりたいです!」と、大森さん。
 そんな話しを聞きながら約一時間萬画館に滞在し、その後は南三陸町へと向かった。
 なお、当日の写真は同行者「サカエリ」のブログ(下)で見ることができます。
http://sakaieri.blog33.fc2.com/blog-entry-334.html

無事だったトキワ荘/写真:サカエリ
停電につき真っ暗です

近況③月刊「悠+(はるか・プラス)」6月号

 月刊「はるかプラス」6月号が発売になった。
今号では最新作「デカルト通り48番地」を紹介。
 以下記事より—。
 上の写真は本作のプロトタイプ、1911年にウジェーヌ・アジェが撮ったパリのパン屋だ。基本的な形状は上の写真に準じたが、違っている箇所も多い作品である。
 模型の「模」の字の意味は「似せること」「真似ること」である。したがって模型をやる以上はできるだけ本物そっくりを目指さねばならない。ところが本作ではそれをやらず、ずいぶんと本物を模さずにつくり終えてしまった。そういうことがしょっちゅうだ。だからぼくの作品には「模型」という定義があてはまらないと考えている。
 制作2010年。縮尺12分の1。題名は実物のパン屋の住所である。
 ——–以上6月号より。
 ページの右上に小さな本物の写真を置いて、その左側に大きく作品の写真を掲載し、いかに似ていないかを説明するつもりだった。だが出来上がった紙面を見ると案外似ているので困ってしまった。が、まあいいんじゃないか。
 次号では逆に写真そっくりの作品をお目にかける予定だ。

月刊「悠+」(はるかプラス)6月号より
発行:(株)ぎょうせい

2011年5月22日