東京ソリッドモデルクラブ(以下ソリッド)に突如きびしく踏み込まれたことを、先月小欄に書いた。そのソリッドさんたちの定例会があると聞き、今度はこちらから踏み込むことにした。会場は船の科学館、羊蹄丸の一室だという。
9月27日午後4時、行ってみると、すでに20名ほどのソリッド諸氏が集まっていた。オールハンドメイドで模型の飛行機をつくる方々だ。うち数名の方が実際にその場で飛行機をつくっていた。そのひとり手柴有邦さん(59歳)に話をうかがった。
本業は不動産屋だそうだ。ソリッドに加わって10年、アルミ貼りという技法で、もっぱら縮尺24分の1のジェット機をつくっている。当日制作中だったのは、英国製のホーカー・シドレー・P-1127という戦闘機。ざっと以下のような手順でつくるという。
まず朴(ほう)の木のブロックを買ってきてカッターナイフで機体のかたちに荒削りする。あとは紙ヤスリで完璧なかたちに仕上げ、表面にアルミ板(0.3t)を貼り、耐水ペーパーでピカピカに磨く。それから無数のリベットを打ち、必要に応じて着色し、自家製のインレタを貼る。コックピットの風防は透明アクリル板(0.5t)を熱して丸く整形し、操縦シートや操縦棹や、周辺の機器類もすべて適当な方法で自作する。車輪をどうやってつくるのかは聞き忘れたが、足自体は真鍮素材でのハンダ組み、等々、いろいろと説明してくれた。しかしジェット機の表面はすべて曲面だ。木を削るったって、アルミを貼るったって、尋常な技術ではないはず。
そういうわけで、今度はそういった角度から、彼らの飛行機をもう一度見てほしい。
Their web site: http://www.ne.jp/asahi/tsmc/net/
上の「作品集」というセクションには手柴氏作による機体も載っている。また定例会というセクションにはこの日の様子が、そしてコーヒーブレイクには千石教室に関するレポートなど、小生に対するヨイショ感に満ちた写真と記事もふたたび掲載されている。
—-よかったら是非ご覧いただきたい。
2009年10月3日