寒いさむい元旦の朝、破風(はふ)屋根が見たくて家を出た。
大石倉之助が討ち入りのときにかぶっていた和風ヘルメットのようなかたちの屋根を破風(はふ)というそうだ。唐から来たので唐破風(からはふ)とも言い、神社の屋根がよくそんなかたちをしている。たいがい大屋根だが小さなものが見たかった。ガラガラの国電に乗って鶯谷の駅から歩10分、入谷鬼子母神・眞源寺にはうんと小さな破風屋根があり、いずれ訪れるつもりでいた。いきなりスケールを当てるのも失礼と思い、まずは神殿に向かって手を合わせ、取材がてらの初詣。
写真右の玄関は幅たったの一間。こんなに小さな破風屋根は見たことがない。伝統的な屋根の丸みは三寸勾配だそう。写真のものは若干誇張されている。そのへんを少し修正し、今つくっている遊郭の玄関に取りつけようと思う。というわけで芳賀の2009年は、このへんてこりんな屋根の制作から。
——本年もどうぞよろしく。
2009年1月5日