今回、行きはよいよい帰りはこわいのちょうど真逆を体験。
行きは、自家製特大トランク2個といいちこのポケット瓶4本が入った小さな黒いバッグの計3個が、シカゴオヘア空港で見事紛失するというとんでもないスタート。
シカゴ到着は4月3日午後4時9分。入国審査を済ませ、受託手荷物返却場のターンテーブルの前へと進んだ。ところがいつまで待っても自分の荷物だけが出てこない。恐る恐る尋ねると、荷は間違いなく到着しているという。見つかったら連絡するからホテルで待ちなさいと、紛失したバッグの番号を記した証明書をわたされた。仕方なくショー会場であるホテルへと向かう。タクシーで約15分、ほどなくホテルマリオットオヘアへと到着。そこで今度はクレジットカードまでもが紛失していることに気がつき愕然とした。
「カードがないのなら宿泊費はいま全額現金で支払ってほしい…」
チェックインカウンターで言われ、到着早々異国の地で、財布の中身がたったの250ドル(約2万円)に。しかもクレジットカードもない。その上トランクもないのだから売上金の見込みもたたぬ。大事なショーにも穴を開けてしまうという最悪の事態。
ショーのプレビューは翌4日(金)午後5時半からのスタートである。
そんなわけで到着早々から翌日の午後まで、マイバッグ奪回作戦に従事せざる得ず、その日は深夜まで空港への問い合わせを続けた。そして翌4日は2回空港まで出向いた。そして2度目に行ったとき、空港のとある場所に保管されていた特大トランク2個を発見、証明書を見せて取り戻す。見事奪還に成功したトランク2個を自分のブースへ運んだときには期せずして周囲から拍手がわき起こった。それはプレビュー開始直前のことだった。
そしてショーの最終日、4月6日(日)午後、ホテルのマネジャーがぼくのブースにやってきて、いまだに見つかっていなかったいいちこ入りの、最後のバッグが見つかったことを知らせてくれた。
やがてすべてのショーが終了し、会場のあと片づけを済ませて自分の部屋へ戻ると、なつかしい小さな黒いバッグが置いてあった。さっそく中からいいちこを取り出し、カンパーイ! その上そのバッグからは紛失していたVISAカードまでもが出てきた。なんとまあ嬉しいことよ。しかも翌日は帰国である。グラス片手にルンルン気分での荷造りとあいなった。特大トランクの2個はすでに1個に減っていた。マシな品物はおおかた売れてしまった、ということである…。
いやあ~おもしろかった。
—–なお、このたびのバッグ騒動では以下の方々の多大なるご協力をいただきました。
リリパットランドのマーティーさん、ロスの弁護士ティム・オベンスキーさん、そしてショーの主催者であるトム・ビショップさん、以上お三方には本当にお世話になりました。心より御礼を申し上げます。
2008年4月14日