うちの娘が最近「MARUIKE HOUSE」(マルイケ・ハウス)というタイトルのホームページを立ち上げた。マルイケ・ハウスとは、非常にぼろっちい木造二階建て老朽アパートのことで、JR山手線駒込駅から歩いて5分ほどのところにある。四畳半やら六畳、あるいは三畳といった、こんがり日焼けした畳部屋がずらっと並んだ、むかしはどこにでもあった下町風アパートのことだ。以前つくった「トキワ荘」もちょうどそんなアパートだったので、製作中は何度もここへ足を運び、畳の敷き方やら鴨居の高さなどを実地調査したものである。現在、住人はほとんどネパール人なので、カトマンズでは割に名の通ったアパートだという。娘のホームページには私のサイトもリンクされていて、オヤジのことは下のように紹介されていた。
HAGA ICHIYOH
「マルイケハウス・オーナーの亭主であり、一風変わったミニチュア作家として知る人ぞ知る存在の芳賀一洋‥‥」
ということは、このアパートのオーナーはうちの女房、ということだ。
だからこの数年、彼女はほとんど毎日のようにこのぼろアパートへ出かけてゆき、なにやらゴチャゴチャとした仕事を続けている。家賃の徴収や掃除は無論のこと、各部屋の住人が部屋を去るたびに畳を取っ払い、代わりにフローリングの床を敷き、壁や天井にペンキを塗りたくるといったハードな工事仕事を、一部屋ずつ、ほぼぜんぶを自分でやっていて、このごろ畳の部屋はめっきり少なくなった。おかげでだいぶんキレイになった。下の写真は二階の廊下を写したものだが、けっこう「クール」だと思う。
ま、そこまではいいのだが、こともあろうにこのボロアパートをギャラリーとして使い、娘の大学の学生グループが「アート・エキシビション」を開催するという。聞いたときにはおったまげたが、そのため娘はわざわざホームページまでを立ち上げて、超マジなのだ。そこできょうは「特に娘から頼まれたわけではないが」それを宣伝することにした。下がそのアート・エキシビションである。タイトルの「Kodou」とは、心臓の「鼓動」の意味だとのこと。
「Kodou」
木造2階建て築40年のアパート、マルイケハウスにて作品展を行います。絵画(壁画を含む)、写真、映像、オブジェ、服etc‥。廊下と空き部屋を使い、鼓動をテーマに、クリエーターたちがおのおのの世界をつくりあげます。どなたさまも気楽にいらしてください。
開催期間—3月6日(月)から3月19日(日)
(PM1時からPM6時30分まで。入場無料)
「Kodou no oto — Live in 松の湯」
作品展開催期間中、イベントとして近所の銭湯「松の湯」にて、銭湯が休みの日に、音楽ライブを行います。
Rezzyのライブペイントもあり!
開催日時—3月13日(月)、飲み物食べ物の持込可。
—–詳しくはマルイケ・ハウスのホームページをご覧ください。
http://www.maruike-house.com
ということなので、興味のある方はぜひのぞいてほしい。「Live in 松の湯」なんて、なかなかおもしろそうだ。
たまにこのサイト「BBS」に登場する「みづよしのおっさん」なる人物は、20年ほど前、上の写真左奥の部屋に住んでいたことがある。
2006年2月19日