一週間ばかり、極寒のニューヨークを体験してきた。
映画で見る真冬のマンハッタンは、マンホールのフタの横っちょから真っ白な水蒸気がもうもうと立ち昇り、風に吹かれて横に流れ、人も街もイエローキャブも、白煙の向こうにかすんで見える。そんな数々の名シーンに以前からあこがれていて、一度体験してみたかった。
到着した日はあいにくの雨でそれほど寒くはなかったが、翌日から一気に冷え込んできた。現地メディアでは華氏17度と伝えていたが、マンホールはもちろんのこと、タイムススクエアーの通りでは、ビルのダクトからものすごい勢いで噴き出した水蒸気が、天高くごうごうと舞い上がっていた。その晩の夜9時、イーストビレッジにある待ち合わせの飲み屋に向かって歩いていると、今度はいきなり上空から白いものが、突然舞い降りてきた。それはまさに極上のパウダースノウというやつで、東京のようにべたべたしたボタン雪でなかったことにしびれた。ニューヨークは気温が極端に低いために、そんな良質な雪が降るようだ。しかし華氏17度がどんな寒さを示すのかがそのときには理解できず、帰国後調べてみるとマイナス8度とのことだった。
ま、そんなわけで極寒のニューヨークから先週の金曜日に帰ってきたところである。
2005年3月2日