9月末のこと、オーストラリアからチャーミングなレディーがふたりやってきた。下の写真で金髪の女性がクレアー・ブラク(Claire Brach)さんで、クレアーさんの後ろにいる黒髪の女性がケリー・ケイト(Kelli Cato)さんだ。ふたりはシドニーの南方、車で約40分のところにある町に住んでいるお隣同士で、一緒にミニチュア関係の仕事をしているとのこと。そしてケリーさんは彼女が15歳のころ、交換留学生として大宮に一年間住んでいたことがあるという日本通で、現在シドニーの学校で日本語教師も勤めているそうだ。
来日の10日ほど前のこと。「月末に日本に行くのですが、東京にあるミニチュアのお店を教えてほしい」という趣旨のひらがなメールが、ケリーさんから届いた。しかしあいにく東京には、これといったミニチュアの店はなく、はるばるお越しいただいても、見せるべきものはなにも思いつかなかった。仕方がないので伊東屋さんに頼んで社長室に展示してある「伊東屋作品」をお見せすることにした。当初は10分程度の見物ができればありがたいと考えて出かけたが、伊藤社長は小一時間にもわたってわれわれの相手してくださり、大変なお世話になってしまった。
――御礼を申し上げます。
そのときまで知らなかったが、社長は実に英語が達者なのである。私の作品についての説明を、直接彼女らに、流暢な英語で語ってくれたのには驚いた。そして帰りには、あるひとつの箱を見せてくださった。それは拙作を収納するために最近伊東屋さんが作ってくれた箱なのだが、あまりにもゴージャスだったので、これまたびっくり。見たとたんクレアーさんは
「まるで銀行の金庫みたい!」
と、叫んだ。まさにそんなカンジだった。かなり高かったんだろうと余計な心配までしてしまうほどの威厳があった。(英文トークスには箱の写真が掲載されています。)(株)伊東屋では10月14日、帝国ホテルにおいて創業100年祭のイベントが計画されているので、拙作をそこまで運ぶための箱なのだろうと思う。
銀座のあと、来客のお二人には私のおんぼろ工房へもお越しいただき、そのあとは近所のレストランで一緒に食事をした。
「ところで、どこで、私のサイトアドレスを知ったのですか?」
と、お尋ねしたところ、オーストラリアのミニチュア・ファンのあいだではICHIYOHのサイトはポピュラーなので誰でもが知っていると、信じられない答えが返ってきた。またシドニーを発つ前には「今から東京に行ってICHIYOHに会い、作品を見せてもらう」というメールを、彼女のアメリカの友人10名程度に送信したそうだが、アメリカン・ピープルの10人が「それは、スゴイ!」とびっくりしたというのだ。どこまで本当なのかよくわからない。
まあ、上のはなしはお世辞がほとんどであろうが、それにしても最近はポチポチと海外のファンも増えつつあるよな気がして、嬉しい限りの一日だった。これもひとえに当サイトを作ってくれて、おまけに管理までやってくれている優秀なるウェブマスター氏のお陰と思い、心より感謝を申し上げる次第です。
2004年10月7日