3月に青山で「私の劇場」と題する合同展を開催した。(詳細は2003年3月6日・3月26日・4月1日の、計3回にわたってこの欄に掲載した。)
この合同展のキュレーターを勤めていただいた宇野亜喜良(うの・あきら)氏は1960年代から70年代にかけて、天才・寺山修二氏と組んで実に多くの仕事をこなしていたハズである。寺山氏の手による戯曲のポスターを制作したり、ときには舞台デザインみたいなことも手掛けていたと記憶する。今年はその寺山修二没後20年に当たるそうで、先日「宇野亜喜良展・われに五月を」という、宇野展の案内状が届いた。その中で宇野氏は、以下のように語っている。
―――タイムトンネルシリーズに登場することになった。自分の作品保管能力の欠落がこの場合の恐怖だけれど、ギャラリー側の機動力に頼り、コンピューター出力に頼ればなんとかなるものと楽観している。
もうひとつの現在形の仕事の方は、ぼくの活動の中の「演劇的なるもの」をテーマにすることが決定した。グラフッィクや舞台のデコール・デザインや、小道具や衣装などの造形物を展示するというところまでは良いのだけれど、10月に「ダンス・エレマン」というカンパニーが上演するものまで、実際に制作してしまおうという企画がちょっときつい。なにしろこのグループでは、このところテクストまで手掛けているから、そこから出発しなければならない。そのうえ人形劇団「かわせみ座」特別出演も決まったので、人形の制作もやらなければならない。
今年は寺山修二没後20年なので、やっとタイトルだけは「われに五月を」に決まったという状態なのだけれど。(談・宇野亜喜良)―――
――タイムトンネルシリーズ Vol.17
タイトル: 宇野亜喜良展「われに五月を」
日程: 2003年5月6日(火)~5月30日(金)
時間: 11:00am ~7:00pm(土・日・祝祭日休館)入場無料
第一会場: ガーディアン・ガーデン
――銀座 7-3-5 リクルートGINZA 7 ビル B1F 03-5568-8818
第二会場: クリエイションギャラリー G8
――銀座 8-4-17 リクルートGINZA 8 ビル1F 03-3575-6918
「われに五月を」というのは何ともグッとくる名題ではないか。たぶん寺山氏の作による戯曲のタイトルだと思うのだが、昨今の陽気には正にピッタリだ。
実は、この五月には、拙展もひとつ控えていて、本当はそっちの宣伝をするつもりでパソコンの前にすわった。だが「われに五月を」の響きが、あんまりにも気に入ってしまったもので、つい宇野展を先に宣伝してしまったという次第である。くらべて拙展のタイトルは、「芳賀一洋&メッシュフラワー展」という何とも平凡なもので、まことに面目(めんぼく)ない。
メッシュフラワーというものがどういうものなのかは知らないが、わたしのコーナーの横のスペースで展示するということなので、拙作とからめて展示するという意味ではない。そして、拙展の案内状には以下のように記してある。が、この文面もまことに平凡なもので、おはずかしい。
――立体画家として独自の世界を築いている芳賀一洋氏は、「箱の中のパリ」シリーズとしての一連の作品群を展開します。またメッシュクラフト協会のメンバーは、インテリアフラワーをメインとする作品を多数出品いたします。ぜひご高覧ください―――
タイトル: 芳賀一洋&メッシュフラワー展
会期: 2003年5月15日(木)~5月21日(水)
会場: 渋谷駅・東急東横店(南館)8階・工芸品エスパス
時間: 10:00am ~8:00pm(最終日は5時閉場)
電話: 03-3477-4550(会場直通)
渋谷駅のすぐ上にある東急百貨店・東横店には東館・西館・南館とあるらしい。南館の8階には通路があって、私もたまに通ることがある。壁掛けや置物などの工芸品を常時陳列している。今回はそのスペースを使わせていただき、拙作を展示することになった。今のところアートインボックス作品を中心に、大小あわせて10数点ほどを展示する予定だ。
先日担当者より、ディスプレーについての「案」を提出せよと言われ、描いたのが下のイラストだ。この通りになるかどうかわからぬが、まぁだいたいは下の絵のような具合になるハズである。
――お時間があれば、ぜひご来場ください。あわせて宇野展のほうもご覧いただければ、かなりの「五月気分」を満喫いただけることと存じます。
なお私は常駐いたしませんが、ご連絡いただければ、出来る限りご説明にあがるつもりです。
2003年5月7日