「デビッド・スカルファーの作品」

  2005年ごろ惜しくもお亡くなりになった、デビッド・スカルファー(David Sculpher)というミニチュア作家(イギリス人)をご存知だろうか。この春横浜で開催された「灯りの魔法」と題するドールハウス展では氏の作品がメインに展示されていた。
  そのデビッド氏の娘であるハナ(Hana Sculpher)さんから先月メールが届いた。
「父の作品の電球の球が切れてしまい困っています。直せるひとを紹介していただきたいのですが‥‥」
  と、いわれても、デビッド氏の作品は、なにしろ「灯りの魔法」といわれるほど沢山の電球で彩られている。誰を紹介したらよいか、わからなかった。
  そんなひと知りませんと断ってしまえば良いものを
「どんな電球が切れたのか、写真を撮って送っていただけますか」
  などと返信しているうちにだんだんと深みにハマってしまい、とうとうおとといの晩、ミニチュア電球のタマ数十個と道具一式を車に積んで、ハナさんの住んでいる国分寺まで出かけることになった。首尾よくその場で直せたらラッキーだが、最悪の場合、作品を持ち帰って修理しようという、月光仮面的な(?)心意気である。
  ま、そういうわけで、いまわたしの横には、たいへん貴重なデビッドさんの作品が2点置いてある。かんたんに引き受けてしまったが、これは非常にむずかしい仕事になりそうだ。来月末までには直してさしあげると約束したものの、はたして大丈夫か、少し心配になってきた。
  写真の中央が作品で左がハナさん。
  (当日ご同行いただいたK氏に御礼を申し上げます。)

もう10年以上も前のこと、あるドールハウスショーの会場で、デビット・スカルファーさんのご子息であるダンカン・スカルファーというひとから声をかけられた。なんとダンカンさんは拙作のファンで、東京に住んでいるという。このたびメールをくださったのはその妹さんだと思う。なんでスカルファー兄弟が日本に住んでいるのかわからぬが、とにかくハナさんはいま、国分寺で「ライトハウス」という洋風居酒屋(上の写真)を営んでいる。