トキワ荘へ行ってきた

  トキワ荘マンガミュージアムが7日にやっとオープンする。
  本来なら3月22日にオープンするはずだったが、このコロナ禍で、こんな時期となってしまった。これに先立ち、先月の28日に開かれた内覧会に呼ばれ、一足先に行ってきた。
 土砂降りの日曜日、予定の時刻になってもあんまり人が来ていない。きっとほんの少ししか呼んでいないのだろう、狭いアパートに大勢押しかけたら「密」になる。
 入場の順番を待ちながら、改めて見上げるトキワ荘はとにかくデカイ。模型ばっかり見てきたせいか特にそう感じる。が、ひとたび二階へ上がると、写真でよく知っているお馴染みの光景がひろがり、今度はそう広くは感じなかった。この二階の表現、再現はとてもよくできていて、ほんの数ヶ月しかお住いにならなかった女流マンガ家・水野英子先生の部屋もしっかりつくってあった。当人はさぞかしお喜びのことだろう。
 元々は、その水野先生が、模型の作者としてわたしを指名してくれ、2001年にはじめて「萬画館」(石森章太郎のミュージアム)のために、15分の1のトキワ荘をつくる機会を得た。これを含めて過去にわたしは5回トキワ荘をつくったが、その原点が水野先生である。彼女がこのアパートにお住いになっていなかったら、わたしがトキワ荘をつくることはなかったはずだ。
 廊下の右奥が水野部屋で、その隣にエレベーターがあり、一階へ降りるとそこはミュージアムだ。マンガ本はもちろん、当時の写真や、グッズなどがところ狭しと並んでいる。作家別のコーナーもあり、その一角に、もちろん水野コーナーもあった。
 密をさけるため完全予約制だ。
 ネットで予約を取って、みなさんもぜひお出かけください。

二階の共同炊事場。
真夏の夜中に物音に気ずいた赤塚不二夫が炊事場をのぞくと、奥の流しに石ノ森章太郎が寝転がって水浴びをしていたという逸話が残っている。